営業でもターゲティングが重要?STP分析や6Rの基本を理解しよう

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『ターゲティング』はマーケティング用語として浸透していますが、営業担当者もターゲティングの概念を理解し、活用することで成績の向上が期待できます。ターゲティングの重要性やSTP分析・6Rを使った方法を押さえ、営業活動の改善に取り組みましょう。

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営業にもマーケティング的な思考が必要?

ターゲティングといえば一般的にはマーケティング分野の用語であり、自社の商品・サービスを提供する相手を絞り込む作業として知られています。

マーケティング施策を打ち出すのに欠かせないプロセスであると同時に、営業担当者にも有用な取り組みです。

マーケティング思考で営業力を強化できる

従来の営業活動は、目の前の顧客に商品やサービスを売り込むのが基本でした。アプローチをかける相手はマーケティングの担当者が決めることが多く、相手のニーズに関係なく強引に売り込む手法を採用していた企業も決して珍しくなかったでしょう。

しかし、近年は企業ニーズの多様化やコスト感覚の変化といった背景から、営業スキルの高い人材でも、商品をただ売り込むだけでは成約に結びつきにくくなってきました。

近年は営業効率と成約率のアップを狙って、マーケティング的な視点を積極的に取り入れる営業担当者が増えています。これまでの営業にはなかった視点を持つことで、顧客ニーズをより深く理解できるようになり、有効な営業アプローチを取りやすくなるでしょう。

インサイドセールスのようにターゲティングを徹底して成約見込みの高い相手にアプローチする手法が、多くの企業で成功につながっています。

営業でターゲティングが重要な理由は?

営業に必要なマーケティング思考の中でも、とりわけターゲティングの考え方は重要です。アプローチする相手をしっかり絞り込むことで、有効な営業施策を打ち出しやすくなります。営業活動の効率化や、製品・サービスの改善にもつながるでしょう。

営業活動を効率化できる

潜在顧客をターゲティングすれば初めから成約率の高い相手にアプローチできるため、営業活動を効率化できます。たとえ数多くのリード(見込み顧客)がいたとしても、商談から成約につながらなければ、営業担当者の活動は徒労に終わるでしょう。

ターゲティングによって事前に成約率の低い相手を避け、商品・サービスのニーズが高いと考えられるリードに営業リソースを集中すれば、自然と成約率もアップします。

さらに、顧客ニーズがある程度把握できている段階で営業をスタートでき、アプローチの方法が決めやすくなるのもターゲティングが重要な理由です。

製品やサービスの改善につながる

ターゲティングでは、自社の製品をどのような層が購入するのか・何を理由に成約に至る可能性があるのかを分析し、アプローチする相手を決めていきます。

分析を通じて自社の製品に不足している点や改善点が明らかになるので、より市場にマッチしたものをリリースできるようになる点は大きなメリットです。

さらに、アプローチする層を絞り込んだ状態で営業活動を進めることで、より顧客に近い視点から有益なフィードバックも得られるようにもなるでしょう。

成約率が伸び悩んでいても、市場の声を生かして製品開発を進めることで最終的に成約に結びつく可能性もあります。

STP分析の基本を理解しよう

ターゲティングはマーケティング戦略の基本である『STP分析』のプロセスに含まれます。ターゲティングを営業活動に取り入れるためにも、STP分析の流れを理解しておきましょう。

STP分析は『Segmentation』『Targeting』『Positioning』の3プロセスで進めます。

Segmentation(市場のセグメンテーション)

Segmentationは日本語で『市場細分化』を意味します。STP分析において、アプローチするターゲットを絞り込むために市場を一定の基準で細分化するプロセスです。年齢や性別・家族構成・所得水準・生活スタイルなどの属性によって、ターゲットを切り分けます。

セグメンテーションの工程なしでターゲティングしようとすると、アプローチすべきターゲットの軸が明らかになりません。

有効なマーケティング施策を打ち出すのが難しくなるだけでなく、営業活動も非効率なものになってしまうでしょう。

自社の製品・サービスに合ったターゲティングをするためにも、まずは市場を細分化する必要があります。

Targeting(営業先のターゲティング)

セグメンテーションが終わったら、切り分けた層のうちターゲットとするセグメントを選択します。

製品やサービスの特性や市場規模・競合他社の状況などを考慮し、自社がアプローチしやすい相手を慎重に選び出しましょう。最も営業リソースを集中するべき相手を抽出します。

ターゲティングの方法はさまざまです。アプローチする際に自社の強みを十分に発揮できる相手はどういう企業や人物なのか、具体的にイメージしてみるとよいでしょう。

Positioning(製品のポジショニング)

STP分析における最後のプロセスでは、選定したターゲットに対して自社の製品やサービスが最も訴求できるポイントを明らかにします。自社の製品を使ってどのような価値を提供すれば、ターゲットのニーズを満たして成約に至るのかを考えましょう。

製品のポジショニングが決まれば、それを基に営業担当者が具体的なアプローチ方法を決められるようになります。競合他社と差別化するポイントが明らかになるので、より説得力のある営業トークも実現するでしょう。

6Rを利用したターゲティングの方法

ターゲティングによく使われる代表的なアプローチとして『6R』というフレームワークがあります。効果的なターゲティングに欠かせない要素なので、6Rを基準にターゲットを設定する方法も知っておきましょう。

有効な市場規模「Realistic Scale」

ターゲットを選択するに当たっては、十分な売上を確保できるだけの市場規模があるかを確認する必要があります。たとえ有望な潜在顧客がいたとしても、市場が狭すぎるとビジネスとして成立しない可能性が高いためです。

また、潜在顧客へのリーチのしやすさも重要ではありますが、アプローチにかかるコストも考慮して市場を選択することが重要です。まずは経営資源を投入する価値のある市場かどうかを見極めないと、営業戦略に投入するコストを無駄にしかねません。

市場の成長性「Rate of Growth」

参入する市場が今後、成長するかどうか判断することも、ターゲティングに際して重要です。市場がこれから伸び始めるのか成長期にあるのか、あるいは成熟し始めているのか、すでに衰退が始まっているかという段階を確認します。

市場の成長段階によって今後の売上が大きく変わってきます。

成長期にある市場が最も狙い目ですが、将来のシェア拡大を目指して、多少コストをかけても伸び始めの市場に参入する手も有効でしょう。

どの成長段階にある市場を狙うかは、マネジメント層が決める企業もあります。ただ、営業担当者も狙う市場の成長可能性を理解することで、顧客に対するアプローチを考えやすくなるはずです。

顧客の優先順位や波及効果「Rank/Ripple Effect」

自社の提供する製品やサービスに対してターゲット層の関心が高いかどうか、さらにその市場にどの程度の波及効果が期待できるかもチェックしましょう。

例えば、いわゆるインフルエンサーが多くいる市場では、SNSを使ったプロモーションによって、一度に多くのターゲットにアプローチできる機会が広がります。

また、現時点では市場規模が小さくても新たな市場に発展する可能性があるなら、将来的に新たな市場で大きなシェアを獲得することも期待できます。

競合他社の状況「Rival」

競合となる製品・サービスを提供している企業の状況も把握しましょう。できるだけ競合が少なく、多くの顧客を獲得できる可能性が高い市場を選ぶのがポイントです。競合が多い市場はそれだけで競争が激しくなり、安定した売上を維持するのが困難になります。

一方、ほぼ未開拓の市場に参入できるなら、そこで一気に多くの潜在顧客にアプローチすればシェアを一気に広められる可能性があります。該当する業界でトップレベルの地位を築くことも可能でしょう。

顧客への到達可能性「Reach」

たとえ潜在顧客が多い魅力的な市場であっても、製品やサービスの提供が難しいセグメントは避けてターゲティングを進める必要があります。

例えば、店舗型のビジネスにおいて、地理的な理由で顧客の来店が難しい地域に出店するのはやめた方がよいでしょう。もちろん売り込みたい商品やサービスのニーズがない地域をターゲットにするのも、ビジネスとして成立しづらくなります。

ただし、物理的に不可能ではなく、工夫次第で顧客に提供できそうな場合もあるでしょう。提供したいサービスに顧客がアクセスしやすくするための『チャネル(経路)』を用意すれば、自社商品に顧客が到達できる可能性を高められます。

効果の測定可能性「Response」

自社の営業やマーケティングの効果を定量的に測定できる市場かどうかも、ターゲティングにおいて大切な視点です。広告をはじめとしたマーケティング施策の効果を適切に測定でき、PDCAを回して施策の最適化ができれば、営業の成約率も向上します。

初期段階では思ったような成果を上げられなくても、ターゲティングを間違えていなければ、施策の効果測定と改善を繰り返すことで自社に適した営業アプローチを実現できるようになるでしょう。

ターゲティングを営業に生かすコツ

ターゲティングを実施する最終的な目的は売上の向上です。ターゲットの選定を営業活動に生かすには、どのような取り組みが有効なのでしょうか?

部門間の連携を強化する

ターゲティングを基に効果的な営業活動をするには、営業部門とマーケティング部門の情報共有をスムーズにして、連携を強化する必要があります。

マーケティング活動を通じて適切に顧客のターゲティングをして、抽出したニーズを参考に、営業部門がスムーズにアプローチできる体制を構築しましょう。 定期的に両部門が参加するミーティングを開催するといった工夫により、連携しやすい環境を整えることが重要です。

営業担当個人としては、ターゲティングをはじめとしたマーケティングの知識を積極的に学んでおきましょう。部門間の前提知識が近くなればなるほど、連携がスムーズになります。

外部サービスの活用も検討する

システマチックな営業を目指すなら、顧客情報を収集・整理して営業活動に生かせるCRMやSFAなどのツールを導入しましょう。システムの活用を通じて、営業部門とマーケティング部門の連携も強化できます。

また、自社に営業の人員やノウハウが足りず、ターゲティングに沿った営業ができないと感じているなら、インサイドセールスを外注するのも一つの手です。営業活動の一部を外注することで、人材確保にかかるコストも削減できます。

アソウのインサイドセールスサービスは、リードの発掘から関係の構築・商談のセッティングまで対応しています。営業担当者がスムーズにクロージングできる流れを構築しやすくなるはずです。

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適切なターゲティングで成約率を上げよう

ターゲティングは自社の製品・サービスが訴求しやすい層を選別するプロセスであり、マーケティングの出発点とされています。適切なターゲティングができれば営業活動が効率化し、成約率もアップするでしょう。

代表的なターゲティングの手法やフレームワークとしては、STP分析や6Rが広く知られています。

日頃マーケティング業務には関わらない営業担当者でも、概要を押さえておけばマーケティング部門との連携が取りやすくなるはずです。ターゲティングに関する知識を営業活動の改善に生かしましょう。

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